theoria(テオーリア) まるみの 湯気の向こうに 見えるものを心の眼差しで観想する 小さな旅へのいざない

おいしい思ひ出 5

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<ル・ビストロ・ダ・コテ>と新宿御苑


おいしい思ひ出

菫クンのリクエスト「都会の緑のお食事&お散歩」にお応えすべく思い出した御苑前のレストラン。
安くてボリュームありで、おまけにピンクで可愛いから、ますます菫クン好みじゃない?

電話で予約すると「12時ちょうどにお越しください」



ちょっと遅れちゃったのよね、私。
新宿方面から歩こうと思ってたんだけど、丸ノ内線に1駅乗って新宿御苑駅で降りて、あわてて階段駆けあがり条件反射で右方向に早足で歩き出した。

あれ? なんかおかしいわね… そして通り過ぎた1階のガラス張りの店を見て、思わず立ち止まったのだ。
そこは飲食店ではなかったが、その場所、その外観、そして道の角に面して大きくとられたガラス窓は…

40年前の記憶が、突然鮮やかに甦った。

冬の寒い日、そう、かつては東京でもとっても寒い日があった。
新宿通りを歩いていた私ともう1人の少年は(彼は地方から上京して受験に失敗し、予備校に通いながら東京で1年を過ごし、その年もし再度大学を落ちたら故郷に帰らなければならない、と言っていた)熱いココアかなんかで体を温めたくて手近な喫茶店に入ったのだ。



おいしい思ひ出


店はガラス張りで、一見なんの変哲もない喫茶店だった。とくに旨いコーヒーを出すわけでもなさそうな、あまり広くない店だった。
コートをぬぎ、椅子に座り2人でココアだかコーヒーだかを注文した。ウエイターの男の子がカウンターにいるマスターに注文を告げる。
なんだか変な雰囲気であったがそれが何なのかはわからなかった。
店内は5~6人の男が、それぞれ1人ずつ座って新聞を広げたりタバコすっていたり。奇妙に静かだったのを覚えている。

注文したものをマスターがカウンター越しにウエイターに渡すとき、静まり返った店内で2人で小声で話すのが聞こえる。
「…したら暴力バーだと思われちゃうじゃないの」とマスターが笑いながらおねえ言葉で話している。

向かい合わせに座っていた少年と私は思わず目が合った。

店内はすべて男性で、私以外のすべての男たちが少年に全神経を集中させている気配に気づいたのである。

次の瞬間、少年はコートをひっつかんですごい勢いでドアを開けて店から飛び出していったのであった。
残された私は途方にくれた。
いくら何だってこんな状況にしておいて…  おまけにここにいる人たちを傷つけただろうに…
仕方なく2人分の料金を払って私も店を出た。
あったまにきたけど、少し離れたところで待っていた少年の蒼白な顔を見て何も言えなくなり、
彼が差し出す飲み物代を受け取り、2人して無言で新宿駅まで歩き、なんだか気まずく別れたのだった。

店は変わっているが、ここはあのときの喫茶店だ…
私はその建物を暫く見つめ、はっ!と思い出し慌てて菫クンに遅れる旨の電話してから反対方向に戻ったのである。




おいしい思ひ出

ピンクの外観を見てやっぱり菫クンは「ここ? あー 可愛い」
ね~ やっぱり気に入るでしょ?この色。

店は満席で、私たちが座ったのは入り口に近い席。
前菜とメインを選べてデザートも付いて、メニューを見ると、あれ?飲み物が100円とかになっている。
以前はデザート、コーヒーも付いて1500円だったから、実質100円値上げか。それでも安い。


鶏レバーのパテ。色合いも薄くわりとあっさり、塩味ほどよい。

おいしい思ひ出

サラダに入ってる根ミツバのけっこう強い香りが、レバーの脂に合っている。
菫クン、キュウリのピクルスをナイフで2つに切って食したりしておもしろい。
私だったら指でつまんで口の中に放り込む小ささだよ~ん。


おいしい思ひ出

菫クンがやや緊張してるのは、隣との間がとても近くて、その隣の席にゲイのカップルがいるせいかもね。

その若いカップルは穏やかに自然に、自分のお皿のものを取り分けて相手のお皿に載せてあげたりしているのであった。
時代は40年前と少し変わった。こんな風景もなじんでいる。もっとも新宿あたりだから、ということでもある。

おしゃべりしながら食べてて(私たちはおしゃべりが多いので食べるのが遅いの。とくに菫クンは)、私はまた思い出した、5年ほど前のことを。
そのときは私と同年代の男友達と新宿を歩いていて何か食べようということになり、
あ、安くておいしいビストロあるわよ、と案内して店の前に着いたときに彼は
「え、ここ? …… ほかにしようよ」 と言ったのである。

彼の美意識の中ではこの店のピンクの外観は受けつけなかったらしい。
わからなくもないから、私は逆らわずに歩きだした。結局そのときはトンカツ屋に入り、そのトンカツはおいしかった。



おいしい思ひ出

私はスズキのソテー ソースアメリケーヌ。
先日かげろう姫と行ったレストランの3~4倍の大きさのスズキ。下にはキャベツが敷かれていて
ボリュームもすご~い!

スズキはもちろん、東京で食べるスズキの味である。
そしてこれがスズキの味だと思っていると大間違いだということも私は知っている。
けれど1500円のランチで出してくれるスズキであるなら、十分に満足の味なのであった。

おいしい思ひ出

こっちは菫クンが頼んだラムのハンバーグね。
これもドッカン!という大きさ。ソースにクスクスが入ってるんですって。
ラムの癖がなくておいしいそうです。



おいしい思ひ出


おいしい思ひ出

デザートは2人ともバナナとクルミのケーキ キャラメルソース。本日メイン以外はかぶるわね、私たち。
このデザートもボリューミー。

おいしい思ひ出

そして私はエスプレッソのお湯割りレギュラーサイズ、菫クンはハーブティー。
このハーブティー、とても香りが良くて、私のところまで香りが漂ってきました。

おいしい思ひ出

「安かったですね~ おいしかった」
菫クン、満足されたようでよかったわ~!

おいしい思ひ出





御苑のすぐそばだから、その後新宿門から入ってお散歩。

現在温室が工事中で、久しぶりに温室に行ってみたかった私はちょっと残念。

若い芽ぶきの枝が風に揺れ、木の間からときどきビルが見えるけど、こんな都心でよくぞここまで成長したね、と、ねぎらってあげたくなる大木がたくさん。


おいしい思ひ出

菫クンは「さっき同業者がいて、ちっと緊張しちゃった」
あ、隣のゲイのカップル? やっぱり緊張してたんだ。
「自分ではああいうふうに振る舞ったりしないから」と、同業者との差異性を語る。ある種のオープンさに抵抗があるらしい。
やや恐怖を感じるようだ。

同性が好きな人たちにだって、様々な人がいる。

そんな話を聞きながら、私はちょっと前に、新宿2丁目のあるゲイバーに座っていたときのことを思い出した。

おいしい思ひ出



狭い店のカウンターでカンパリソーダなんか飲みながら、じつは飲むのが目的ではなく、その店のマスター?え?なんていうんだ?ママ? ん?  いや… えーっと…

つまりえっとその店の主人の<健さん>にお話を伺うために座っていたのである。
時々ドアが開いて女の私が座ってるとUターンしちゃう男がいて私の存在は店の売り上げを落としてるんじゃないかとハラハラしたが、<健さん>は全然動じなかった。
彼はゲイの闘士で、長年ゲイ差別と闘ってきたのだ。
そして卑劣な襲撃を受けて大けがをおったり、結婚していて子供もいるのだがその奥さんや子供さんが辛い目に遭ったりしても屈することなく、高齢となったいまでも闘い続けているのだった。

お話を聞いていると、突然上の階から浜崎あゆみの歌が聞こえ、天井が落ちるほどの勢いで足踏みの音が響いた。話し声どころか爆発が起こっても気づかないくらいの音である。
安普請の暗いバーにあるところどころの灯りで、天井から落ちてくるゴミやほこりがハッキリ見えた…

上はレズバーなのだ。

ひとしきりりドスドスドスが続くと静かになったが、再び浜崎あゆみの別の歌がドスドスドスとともに始まり、そんなことがしばらく続き、静かになったときには本当にホッとしたのだった。

<健さん>は舌打ちして
「しょうがない子たちなのよ。割り箸ないから貸してくれ、とか、お札くずしてくれ、とか、氷なくなったから貸してくれってね、そんなのばっかりよ。まったく! この前この振動でうちの湯沸かし器が壁から落ちちゃったんだから!」

はああ~ たいへんですねえ…

そして<健さん>は静かになった天井を見上げて言った。

「でもね… かわいそうなの、あの子たち。6時までOLやってるのよ、なんでもないふりしながらさ… 普通のOLのふりしながら毎日過ごしてるのよ。そりゃストレスたまるよ。かわいそう」

<健さん>はゲイの先頭に立って世の中の意識を変えてきた。
しかしレズビアンの世界ではまだ<健さん>のような人は現れていないのだ。


おいしい思ひ出



新宿2丁目だけでなく、ゲイの人たちを見る目は大きく変わってきたと思う。
テレビに出るタレントや芸人でも、ずいぶんカミングアウトしてそれが受け入れられているが、
実際に自宅の隣の家に住んでいて挨拶する関係だとすると、果たしてどうなのだろう?

女性同士が夫婦として生活する隣人だったらどうだろうか。あるいは隣の家の男性同士が手をつなぎ合って歩いている姿とすれ違ったときに、内心どんな感情がよぎるであろう。

セクシャリティの問題はデリケートでナイーブなことだから、だから見て見ぬふりをしましょう、
それが無難で波風立たせぬ方法。

そうだろうか?

おいしい思ひ出



私はセクシャリティの問題だから… とワナワナしながら触れずに逡巡してるより、
単なる嗜好、好みなんだから、みんな大っぴらにあけすけに話すべきじゃないかと思うんだけど。

食べ物の嗜好や匂いの嗜好、異性間ではどんなタイプの異性が好きか、なんて当たり前に話すじゃない?。
それこそテレビで「男性のどんなところが好きですか?」なんて当然のように聞いてるし
答える若い女の子だって「私、男性の首んとこの匂いを嗅ぐのが好き」なんて平気で答えてる。

「ウニは好きだけどホヤは食べられない」 「血がしたたるくらいのレアな牛肉がちょー好き」
別にふつーの会話である。

「ボクは男だけど若くて筋肉質の体育系男子が好き」
あ~ そうなんだ~

「私、女だけど、彼女はすごく痩せてるの。抱きしめると骨盤のとこが当たったりする」
当たって痛いの?
「ちょっとね、でもそういうのが好き」
ふんふん、なるほどね

というふうに、別にふつーじゃない?

100人いたら100人それぞれ違う。食べ物の好みも、性の好みも。当たり前でしょ?

おいしい思ひ出



レニー・ブルースを思い出す。
ひと昔前のアメリカのコメディアン、舞台で1人でしゃべって笑いをとるコメディアンであった。
ダスティ・ホフマン主演で、その生涯が映画化された。

そのモノクロの映画で、ダスティ扮するレニーが舞台上のスタンディングマイクの前に立ち、座っている黒人を指さし
「ヘイ! ニガー!」というシーンがある。
映画のあらすじは分かっていても、鳥肌立つ瞬間であった。

この蔑視の極みの言葉で指さされた大柄な黒人の目に怒りの炎が燃え、その体が今にも舞台に向かうんじゃないかと…
次の瞬間レニーは続ける。
「ニガー!ニガー!ニガー!ニガー! だけどニガーって言葉は何なんだ?」
ニガーという音には、差別の意味はない。単なる音である。
使っている人間の差別の意識こそが、「ニガー」という発音を差別の言葉にしているのだと。

「みんなで使おうぜ、こんなふうに。“ハイ!ニガー!いい天気だね~”  “ニガー、一緒に飯食おうや” “ニガー 遊びに来いよ”  な、こんなふうに使うのさ、みんなで。こうやって使ってると、そのうちこの言葉はぜんぜん差別用語じゃなくなるんだ、ハローと同じ意味になるんだよ」

黒人の顔は、笑顔になる。

性に関することだって、異性間でも同性間でもみんな大っぴらにあけすけに話してたら、なんだ、ふつーのことじゃん、隠すことでもタブーでもなくなるよ。ってなると思うんだけどな~

過激で舌鋒鋭く、一世を風靡するコメディアンとして舞台に立ち満場の拍手で終わったあとは、孤独と恐怖が押し寄せる。
明日、この笑いとこの拍手は取れるだろうか…

その孤独と恐怖から逃れるために、彼はお定まりの麻薬と女に溺れ、いやじつは溺れることすらできず、短い人生を駆け抜けていった。孤高の芸人、レニー・ブルース。


おいしい思ひ出

服飾デザイナーの高田賢一は、パリに出店したときに、その店名を「ジャップ」と付けた。
目が落ちそうになった人もいたと思う。
彼のデザインする服は評判が高く、その後その店名も抵抗なく流通した。2店舗目の店名は確か「ジャングルジャップ」である。

おいしい思ひ出

菫クンとベンチに座って、彼はタバコをすわないから、私だけ持参の携帯灰皿を出してたばこをすいながらおしゃべり。

自分がいまどのような位置にいるかを冷静に判断するのは、誰しもたいへん難しい。
前回逗子で一緒にお食事して感じたが、彼の仕事とのかかわり方も、ある意味私の知らない空気のつながりで成り立っているらしい。
その仕事で自分がもしミスしてしまったら… いままでの良好でインティメイトな、しかしどこか危うく保たれていたものが変わってしまうのではないか…と、乙女のように危惧する菫クンであった。

かっわい~い!  今度から<菫クン>じゃなくて<菫ちゃん>って呼ぼうかなー などとおばさんは内心思った。

おいしい思ひ出

かなり長いことしゃべっていて、そろそろ歩きだしてお茶でも、と、
新宿門のそばにあるカフェに行くつもりだったのだが、今日は土曜、たぶん混んでいるだろな… 座れないかも。
どこにしようかな…

不思議なもので、記憶は記憶を呼び、チェーンで繋がっているように、また違う思い出が甦った。

新宿御苑の反対側、千駄ヶ谷門を出ると、代々木駅に向かって戦前の雰囲気が残る一画、そこに昭和初期の民家を喫茶店にしてあるなかなか居心地良い店に行ったことがある。
あそこにしようか… しかしな…

「ちょっと寒くなってきたから、お茶でもします?」と言われて、
「知ってるカフェがあるから。たぶん行けると思う」と、菫クンをいざなって歩き出す。

おいしい思ひ出

じつは、そのカフェに連れて行かれたのはしばらく前、
知り合いの女性とある場所で久しぶりにバッタリ会い「今度お茶でも」と言って別れた直後に電話があって
「話を聞いてくれる?」というので代々木駅で待ち合わせ、夕暮れが迫る道を歩き出してのっけから彼女が
「ああ! もう生きていたくないくらいよ!」と言ったので驚いた。

店に入って話を聞くつもりが、戦禍を逃れた狭い路地を歩きながら
「どうしたの、いったい?」
「離婚したいって言われたのよ」
「ええーっ?! なぜ?」
「浮気してたのよ、キャバクラの女と!」

道が暗いのと細い路地とで彼女は道に迷ったようで同じところをグルグル回った挙句、
「ああ、ちょっと分からなくなった!新宿にでも行く?」と言いだし、
私は「どこでもいいけど、少し落ち着いたほうがいいわよ」と立ち止まって言ったのだった。

佇んで、彼女は方向感覚を取り戻し、たいへん分かりにくいそのカフェにやっと行きついた。

その静かな店の、隅のほうに座って話を聞いたのだった。


結婚するときいまのご主人は当時4歳の男の子がいて、彼女はその子の義理の母となり、反抗期でシンナーを吸って補導されたりバイクの事故をおこして入院したりと、大変な時期を経て、実の母親以上に面倒を見て育てたのだ。
その男の子も今では24歳、埼玉で彼女と同棲しているんだそうな。
稼ぎの悪かった亭主も新たに不動産業で持ち直し羽振りはよくなり、代々木上原にマンションも買い、なんの心配もないと思った矢先に…

「あの人キャバクラなんかに行くの? 昔はそんなタイプに見えなかったけど」
「昔は酒飲まなかったもの。しばらく前からよ、付き合いで。相手の女は結婚したいって言ってるのよ、だけど私別れたって絶対離婚の判押さないわ!」
「このこと息子は知ってるの?」
「私が会いにいって話したのよ。そしたら自分は関係ないから2人で話し合ってくれっていうのよ!私、あんな思いで必死に育てたんだもの、父親に怒鳴り込んでくれたっていいくらいでしょ?冷たい子よね」

彼女の話を聞いていると、離婚を迫られたこと以上に、義理の息子の態度に怒り狂っているように思えた。
そしてその怒りは飛躍して「だから絶対に判なんか押してやるもんか!」というところに行きつく。

長い話を聞いてから私は彼女に言った。
「1人で生きることに直面してみたら?」と。

「息子の言ってるのは正論だよ。むしろ感情に振りまわされる息子じゃなくてよかったじゃない。
“離婚の判を押すもんか”という恨みだけを支えにして生きていくなんてことできる? これからの自分の残り少ない人生、そんなふうに過ごすなんてもったいないと思うよ。 さっさと判を押してスッキリして、一度しかない自分の人生と自分自身のことをもっと考えたら? いままで家族、息子がいる、亭主がいるってことに安心してたんだとしたら、そんなことは幻想だったんだから。

ねえ、たとえ誰かといたとしても、死ぬときは一人よ」

彼女は下を向いて、たぶんちょっと涙を流したのだろう、立ち上がってトイレに向かった。

私はコーヒーのお代わりを頼んだ。

おいしい思ひ出

代々木駅で別れるときに彼女は
「ありがとう。踏ん切りついたよ。ガッポリ金取って離婚する。判押してやる!」
私は思わず
「うん、ガッポリ貰いな~!」と言ってしまったの~。

「じゃあ、またね」と言って別れた後、風の便りで離婚して故郷の広島に帰ったという話を聞いた。
縁があったらまた会うことがあるかもしれない。

私はその店に菫クンを連れて行こうとしたのだけれど、行きつけなかった。

おいしい思ひ出

とても暗い道をさまよった記憶が、そのときの話の記憶とともに、私を混乱させたようだ。

私と菫クンは人気のないサンドイッチカフェに入り、ここでまたお茶を飲みながら長々とおしゃべりをしたのだった。

おいしい思ひ出

帰りに新宿駅に向かっているときに菫クンが
「この間逗子の散歩のあと、口が痛くなっていたの!」
口が痛いってどーいうこと?!
「しゃべりすぎて口の周りが痛くなったてたの」
えーっ!! そんなことあるの? 喉が痛くなることはあるけど。
「痛くなったの。今日もしゃべりすぎたから帰ったら痛くなってるかも」

おいしい思ひ出

何日も家から出ないで人としゃべらないから、口の周りの筋肉衰えちゃったんじゃない?
しゃべりすぎて口の周りが痛くなるって、おもしろ~い!
そんな筋肉痛、私にはないもん。 大笑いしちゃった。

新宿駅で別れるときに
「すごく楽しかった~」と言ってくれた。

私も楽しかったわ。

そして私にとっては、新宿のはずれの空気の中で、自分の記憶の軌跡を独楽のように回転しながら40年分辿っていった時間だった。




そんな散歩の一日も、あるものよね。












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