(2009年2月8・9日 3人泊 @18,500円)
つらい仕事が終わってのち、私は、酒豪のおねえさま、そして動物好きの新妻ちゃんと3人で旭山動物園&雪見の露天旅行を計画した。
まちこも誘ったが「動物園は臭くて嫌い」だから行かないという。
旭山動物園、あんまり臭くないと思うんだけど。 まあ、人それぞれね。
そしたら酒豪のおねえさまのお母さんが亡くなって、急きょ代わりにまちこが行くことに。
「動物園は2人で行って。私ホテルで待ってるから」
そしてまちこは当日、おばあさんのように足を引きずってやってきたのだった。
「膝が痛いの」
ええーっ … これ以上ひどくならないといいけど…
せっかくの旅行、思い出はみんな楽しいものであってほしい。
旭川グランドホテル直行のまちこはおいといて
ペンギンの散歩を楽しみに、嬉しそうな新妻ちゃんと2人で旭山動物園に。
硝子越しに間近で見るクマさんやトラさんのモコモコとした毛皮のマテリアル。
ニマッと笑いながらすごいスピードで泳いでいく巨大なアザラシさん。
-4℃の比較的暖かな戸外で待つこと30分。
やって来ました!
ペンギンさん!!
ちょうど目の前で集団で停まって、ポーズをとってくれました。
再びヨチヨチと歩き出します。
顔はあんまり可愛くないのだ。しかしたいへんおもしろかった。新妻大喜び。
帰りのタクシーが来るまで、限られた時間を急いで回る。
お弁当かなんか持って、1日ゆっくり回ると楽しいに違いない。私たちにはゆとりがなかったが。
来られなかったおねえさまにあげる土産を探したが、買いたいものが見当たらない。
動物の写真ののったカレンダーやポストカードなど、
どれも見れば見るほど魅力のないものなのである。
動物園への寄付も含めた高い料金はともかく、手拭い好きの新妻ちゃんが買ったもののデザインなど、
よくこんなもので金が取れるな~というような代物だった。
ユニークでおもしろい動物園になったのに、土産は月並み以下の、つまらないものだった。
ここでしかできない、思わず「私も欲しい!」と言ってもらえるようなものが作れる素材は無尽蔵にあるのに。
動物たちと直に接している人だけしか見ることのできないような写真を使うこともできるだろうに。
残念なことである。
グランドホテルのスパ&ビールでご機嫌になったまちこに迎えられてホテルに到着。
そしてC夫妻に教えてもらった回転寿司「トリトン」にタクシーで。
うまくて安くてニッコニコになったのちにホテルへ戻る。
旭川市内はちょうど雪祭り。雪だるまさん、こんばんは!
ホテルの眺めのいいラウンジで朝食。
チェックアウトののち、観光タクシーを頼んで市内をあとに。
途中おいしいパンとクッキーの買い出し、そしてイタリアンの素敵なランチを食べ3人とも満足!満腹!
天人峡のほうを回ってもらう。
雪景色の天人峡。
旭岳温泉のマンホール。
3部屋のみのお宿
「アートヴィレッジ・杜季」
民宿のような感じ。玄関を入ってすぐに階段。
1階の食堂。本日宿泊は我々のみ。全館貸し切り!
12畳くらいのトイレ付きのお部屋。お布団は自分で敷く。
1階から急な階段を降りると、内湯と露天がある。
お湯はとても熱く、水でしばらくうめないと入れなかったが、お湯の成分は濃く、塩化物泉系統のすごく温まるお湯であった。
まちこは「膝に効くかも!」
「そうかも!」
ドアを開けて細い通路を通り露天に。
周り中が白い帽子のような雪、遠くは望めないが、これぞ雪見の露天!
「私、まだ雪見の露天に入ったことがないのよ」というおねえさまのために200パーセント確実な雪見の露天旅行を設定したのにね~
代わりにまちこが満喫。
向こうをむいて入っていたまちこが突然ぼそっと
「わたし、まるみさんに幸せな時間をいっぱい貰ってる…」
とつぶやいて
え? なんじゃそりゃ… どーしたの、いったい…
思わずドギマギしてしまった私でした。
あ、窓から新妻ちゃんが手を振ってる!
とってもメルヘンな風景でしたよ~。
3人しかいないのに、前菜から始まり、お刺身、煮物、焼物、と順次会席風に出してくれる。
丁寧に、出来立てを。
飲み物などは冷蔵庫からセルフサービス、ご飯もジャーから自分で。
味が濃い目だけど、おいしくいただいた。お魚はすごくおいしかった。
私はフルに計画を立てたのだ、2人に喜んでもらいたくて。
本日はケーブルカーで旭岳に登り、あの素晴らしい景色を見せたかった。
動物園は曇っていてもいいけど、本日は晴れくださいね~ と昨夜、念じながら眠りについたのであった。
晴れてくださったわ~!
歩けるかどうか心配だったまちこの膝が「良くなってる!」
というわけで歩いてケーブルカー乗り場に行き、いざ!
旭岳に!
お天気に恵まれ、こんな景色は、そうそう見られるもんじゃないのだ…
2人はその幸運を分かってはいないかもしれないけれど、
目の前に広がっているこの風景は、希有な、そして貴重なものだと感じていることだろう。
電話で確かめて、本日女湯がもとからある大きな風呂場と分かったので、日帰り入浴に出かける。
本館の日帰り料金が1,500円になっていた。
ちょっと高いけど、湯船が5カ所あるから1カ所300円だと思えばいいか。
宿泊客もおらず、静かで、相変わらず素敵な風呂だった。
出てから新妻ちゃんが「リングに付いている3ミリくらいのオパールがなくなっちゃいましたぁ…」
ええーーーっ! リングしたまま風呂に入ったの?!
(確かに、私も20歳のころはリングしたまま硫黄泉に入って銀が真っ黒になっちゃったことがあるけど…)
「温泉にアクセサリー着けて入っちゃだめよ。念のために、風呂場で自分の歩いたところをたどってみなさい、奇跡が起こるかもしれないから」
「はいぃ」
まちこと先に出て、椅子に腰かけて待っていたら
「ありましたぁ~~~!! 脱衣所に落ちてましたぁ~~~!!」
はあ~~~ 奇跡って…… 起こるものね!!
夜、雪の結晶がキラキラと輝いていた。
私がいままでの生涯で初めて、いちばん初めに雪の結晶を見たのは、この旭岳だった。
雪の中の夜の露天は…
雪の舞う夜の露天は…
至福のひととき…
まちこに「膝、どうした?」と聞いたら
「あ、良くなってるよ、痛くない!」
帰りはシャキシャキと歩いていたのであった。
帰ってから誰かに聞かれても、2人とも語らなかった。
新妻ちゃんは「若い私には、贅沢すぎる旅行でしたぁ」と答えていたし、
まちこにいたっては、おねえさまがメールで「どうだった?」と聞いたら
ひとこと「すごくよかった」と、木で鼻をくくったような返事が返ってきたとのことである。
あまりにも幸せな時間を過ごすと、人は寡黙にならざるを得ない。
だって…
どう言えばいいの? どう表現すればいいの?
私には… そのすべがありません。
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