函館 ペンション・カントリーボーン

                        おいしい函館(おいしすぎる函館)





(2012年4月14日 2人泊 素泊まり@4,000円)





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「函館に行ったら、そりゃ~鮨でしょ~ 鮨鮨!」
とまちこは言う。

彼女は大昔、まだ結婚していたころ、夫と函館に来た時以来なのだという。

私は函館の鮨は、もちろん魚介は新鮮だけど、やたら高いという印象しかない。
もっとも穴子はものすごくおいしいものがあったりするが。
だけど3,000円出すなら、もっとおいしいものがたくさんありすぎるのよ、函館。



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鮨以外の、リーズナブルでとんでもなくおいしいものを食べようよ~!
「なんなの、それ?」といぶかしげなまちこ。

「山川牛乳のソフトクリームとあちこちにある安くておいしいフレンチレストランのランチとイカの塩辛入りコロッケとスナッフルスのケーキと、そして私がどうしても食べたい和食の店と~チッチョパスチッチョのケーキと、ヒラメの押し鮨と~なんだったらラッキーピエロのハンバーガーでも?」

「えーーーー! それ、全部食べよう!」

いや…  全部は無理かと……

「だいじょうぶ!なんとかなるよ!」

あ~ それから塩ラーメンもあるよ~

「食べよう!!! 函館の塩ラーメン有名だもん!!!」
(私は自分1人では絶対食べないが、まちこがラーメン好きだったことを思い出したのであった)








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空港から五稜郭に向かうバスに乗る。
降りたバス停から少々歩くが、できるだけおなかをすかせるためにも
歩いたほうがいいね、そうだね。

15分ほど歩き、通り過ぎてしまい、戻る。
可愛い外装が見えた。


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<レストラン ラ・ターチ>

ピンクの内装でこれまたけっこう可愛い。
1,600円のコースをお願いする。
いらん音楽が上から降ってくるが、まあ控えめ。

さ~て、どんなもんでしょう。

ご夫婦2人で切り盛りしておられるようだ。






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スープか前菜かを選べる。

まちこの頼んだサツマイモのポタージュ。
「どう?」
「うん… サツマイモの味。   (しばらく間があって) あっ おいしいよ」


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私が頼んだ前菜。
ケーク・サクレは温めてあり、割と塩味が効いていて、私にはちょっと塩気がすぎる感あり。
お味はおいしいがやや不安。ゴボウ、トマト、葉物類はフレッシュ。

プレートの<双子山>ってなにか、あとで聞いてみたら

「あ、そのお皿は知り合いの札幌のレストランから貰ったものなんです」
札幌近郊に双子山という山があり、それを店名にしたレストランがあるらしい。


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本日のメインはチキンと野菜のカレー風味。
これは1種類で選べず。
(カレー風味か…… どうかな~?)

そしたらカレーの香りが一瞬した後にはカレーの味は主張せず、様々な野菜、セロリ、トマト、茄子、ズッキーニ、キノコ類などがたっぷりのソースの中にあって塩加減もほどよかった。
ソテーしたのち煮込まれた柔らかなチキンの塊が下に3個もあって、
何より付け合わせのマッシュポテトのバターの風味と優しい柔らかさがものすごくおいしかった。

ソースとマッシュポテトを混ぜて食べるとまた違ったおいしさとなり、
そしてこのお皿はボリュームもとんでもなくあって、大変満足しました。


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プランスパンは温めて出してくれたが、ホワホワしたパンで、私の好きなフランスパンの風味はなかった。
バターもけっこう硬いままだったので、しばらく待ってから付けた。
しかしパンなんかいらないほどだったので、文句なし。

まちこの頼んだライスもふつーだそうです。


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くわ~っ

おなかいっぱい!

そして、当然別腹で入るデザートは……




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トマトのジェラート、マカロン、シフォンケーキ、小さなロールのケーキと、4種類の盛り合わせ。
これにきちんと淹れた紅茶かコーヒーかが付いて、1,600円。

「おいしかったねえ」
「鮨以外もおいしいんだね!函館。 安いし。 まったくね~ ついて行きゃ間違いない!」










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まあね、まちこの場合、私に「私も行く!」と言った時点で、
その時の最安値の航空券の予約、羽田に行くリムジンバスの予約、泊まる宿の予約、レストランの予約、<間違いない!店>に行くこと、<間違いない!土産>を買うこと、多分。がすべて完了するわけで、本人は着替えと財布持って指定の時間にリムジンバスの乗り場に行けばいいわけなんですね。

その結果、私にどこに行くかも聞かないんですよっ。





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<六花亭>

壊れた冷蔵庫をやっと買い換えて、フリーザーが使えるようになったから
六花亭の冷凍のおこわを自宅に送りたいんですって。
20分ほど歩いて六花亭に。

わんちゃん、こんにちは~

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五稜郭の桜はまだ硬い蕾だ。

まちこがカウンターで宅急便の書き込みをしている間、私はおなかが楽な姿勢で椅子に座って待っていた。

「これで帰ってからしばらく楽しめるよ」と言いながら
いそいそこっちにやってきたまちこを見て、よっこらさっと立ちあがり……








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「これからどこに行くの?」
「五稜郭タワーの下の山川牛乳売り場を見に行く」
「え? 見るだけ? ソフト食べないの?」
「だって食べられそうもない」
「えーーー!! 見るだけ?! そんなのいやだよ、食べる!」

(わたしゃ無理だ~ 
食べたきゃ食べてくれ~)


下から見上げると、真っ青な空に早々と鯉のぼりが泳いでいる。
そして周り中で中国語をしゃべっている。日本人はいないみたいだ。
ブクロでも歩くと中国語、函館でも中国語である。

震災で減っていた観光客が戻ってきているのは、喜ばしい。




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<五稜郭タワー 山川牛乳売り場のソフトクリーム>

まちこは敢然と「スペシャル、1個お願いします!」
いや~ すごいね~ ソフト1個ってけっこうな満腹感があるような気がする。

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パクッと上を食べたまちこ
「あっ! おいしい! あっ! 山川のソフトは外せないって言った理由が分かる~  ちょっと食べる?」

というので売り場で小さなスプーンを貰って3さじくらいしゃくって食べた。
うーまーいー

山川牛乳の味ってしっかり分かるが、同じ牛乳を使っても、ソフトを作る場所でずいぶんと味が違うものだと思った。
去年行った恵山の恵風、あそこで食べた印象とかなり開きがある。
熟練したおばさんの作るソフトかどうか、が鍵となるんだろうか。
ここは「スペシャル」ということだけあって、ちょ~濃厚であった。





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とにかくおなかを減らさないとならないので、タクシーなんか使わない。
市電で十字街まで行って、坂をせっせと歩いて上る。
もうほとんど雪は消えているが、道の隅のほうには氷になってかたまったのがあったり、注意を要する。


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八幡坂を上がったらちょっと下ってみて横移動してまた上り、最後にちゃちゃ上りを歩き、
見えてきました今宵のペンション。

外観は黄色。
中はリボンと造花だらけじゃないといいなあ。


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そこら辺じゅうにリボンがありトイレのトイレットペーパーを下げてあるものにはフリルまで付いていたが、
シングルベッドが2台あるからそれでよし。








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わたしらケーブルカーで山頂に行って、2人で寄り添って夜景なんぞ見ないからね~
こんなもんでいいの。夜になればここだってそこそこ綺麗だろう。
まちこ、夜景なぞ昔見たからいい、というような感あり。







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あそこが金払っていく山頂ね。


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でもってこれがここから見える風景。


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宿からウエルカムドリンクのカクテルサービスですって。
じゃ、それなりに写真撮りますかね。

お味?

ノーコメント。




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ユニットバス、なかなかお湯入れてくれなくて入れず。かつ大きいほうは使用してるってことで
やっとお湯がたまって「狭いですけどこちらに」って入った風呂場、

ちょー狭!!!

ただしまだ寒いから入れ替わりというわけにいかずに、2人で1人用のユニットバスに入る。
ちゃちゃ上りあがってきて汗かいたからね、さっぱりしてから部屋で夜景観賞ののち、
タクシーを呼んで今宵のディナーへ。









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タクシーで1,000円未満の、函館駅前、菊水小路にその店はあり。


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<ささ樹>

電話で予約したときの、ご主人の声が温かであった。









こんなところに料理屋さんがあるの?という風情のドアを開けて中に入り、名前を告げると
カウンターからご主人が出て来られ
「そこの座敷とですね、ちょっと散らかってますがカウンターの前、どちらのお席がよろしいでしょうか?」

私はカウンターが好きだ。
そこでご主人自らが調理しているのを眺めることができるのであれば、なおよい。
「カウンターにお願いします」




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日本酒お燗で1合お願いする。津軽のお酒のようであった。まちこはもちろんビールである。

前菜の食材に納豆が使われていて、もしやこれは、ちょっと北海道的でない、というかフレキシビリティのあるお料理が出てくるのでは?という期待をした。

おしのぎの小さな酢飯の味わいもよく、上の蟹と緑も美しく、ゆっくりとおいしい時間の幕開きとなる。




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日本酒もこだわりがあって吟味されたものであった。
心楽しくなる。

隣のお馴染さんらしきカップルは
「切り子のぐい飲みを」と、器もリクエストして、目の前を見ればかなりのコレクション、
器ともども、料理を考えておられることがうかがわれる。

ご主人と女性が1人、2人でかなりの人数をさばいていらっしゃる。

客によって時間差のある料理を次々に作り、冷蔵庫を開け、盛り付け、指示し、かつカウンター越しにお馴染さんと笑顔でおしゃべりするご主人は、その人柄も、料理人としての腕前も、この地で愛されているのだろう。
それがよく伝わってきた。






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ミョウバンを使っていないウニ。
いいタイミングの状態のヒラメ、そしてエゾアワビ。
中トロ。

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私はゴリゴリした生の鮑はあまり好きではないのだが、これは硬めではあったが不愉快な硬さではなく、
十分においしさを味わえた。

そして私はマグロは大トロ、中トロはあまり食べない。
トロだけでなく、かつての江戸前鮨になかったようなもの、
たとえばいま人気のサーモンとかも殆ど食べない。

多分味覚は、幼少期の味の記憶に回帰していくのではないだろうか。

幼いころごくごくたまに父親がお土産に持って帰ってきて食べた鮨には、

卵焼き、銀色に光るコハダ、その絶妙な酢の〆加減、白く半透明のイカ、そしてあまり好きでないタコ、鮮やかなマグロの赤身と、その隣の海苔巻きの黒々とした海苔の香り、味わい。海苔のうま味。茹で海老の美しいオレンジ。それからツメがのった独特のおいしさのある大好きな穴子。

that ' s all .

この湯引きされ余分な脂を取り去った中トロは、甘みがありたいへんおいしくいただけた。





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茶碗蒸し風、アンコウの肝のくず餡がかかっている。

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中には春の野菜類と魚介類がたくさん入っていて、このお碗1杯でなんだかもう十分、というような充足感であった。





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鱒の朴葉焼き。

グリーンオリーブと大根の付け合わせ。ちょっと意外である。が、口中がさっぱりしてよい。

ご主人は、料理をするのが楽しくて楽しくて仕方ない!というように、くるくる動き、次々に出してくださる。
そんな姿を見られるのって、すごく特権的なことのようで、私もとても嬉しくなってしまうのだった。

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北海道では珍しい甘めの白味噌を使って、しっとり感ある味わい。イカもいたわ~
山菜やウドのほろ苦さとよく合い、工夫されているのが目にもおいしい。





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このプレートは、ファンタスティックな4品だった。

前菜に出たツブガイと違って、エスカルゴ風にエシャロットのバターソースがたっぷりと。
そして甘く炊くいたクルミ。
柔らかな新筍の上にウニのソースをのせて焼いたもの。
これらはみんな温かなもの。

しかし一番上のセロファンを開けて出てきたものは、なんとリンゴをくり抜き器にして、オレンジと葡萄をのせ、その下にはすりおろしたリンゴ、その中にはなんと海老が入っている冷製の料理だった。

このリンゴはほぼ丸々半個分あり、食感もおもしろく、お味もかなり変化に富んでいて、かつそうとうおなかがいっぱいになるものであった。




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もうだめかもしれない…… 私はまちこの顔を見て
「もう入らないわ」
ビールを2杯飲んでいるまちこは小声で
「ズボンのボタンはずしたい…」

私はご主人に
「ほんとうに残念なんですが、もうこれ以上入りそうもないので、ここで」






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グラタンは調理中だったので、これをいただいてお終いとします。
が、これ、なんというボリュームでしょうか。




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こんがりと焼き色がついたトロトロのチーズの下には、クリームにまみれて、イカ、ホタテ、ホッキ貝などがこれでもかっ!と入っておりました。
こんがり焼いたトーストに少々のせて……

半分以上残してしまい、申し訳ない。
「いえいえ、いいんですよ。おなかの状態をみながら、ご自由に食べてくだされば」






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この後に出されるはずのサラダ、隣のお馴染さんに出されたので見てみたら、
細い麺を揚げて籠状にしたものの中にいろんな野菜が見てとれ、ずいぶんと凝ったサラダで
あ~ あれ食べられなかったんだ、と思うと悔しい!

「デザートは少しですから大丈夫ですよ、アイスクリームだし」




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薔薇のアイスクリームだそうです。アイスクリームというより、シャーベットね。

薔薇? 化粧品くさくない? などと思ったが、
香りも味も薔薇でいながら、かつスッキリした優秀な食品としてのシャーベットでした。





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隣のお馴染さんとも話が弾み、ご主人にクリオネ(冷蔵庫で何カ月か生きているらしい)を見せてもらい、
まちこが秋田産であることを話したら
「うちの実家が秋田で」ということで、



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ニンジンのいぶりがっこをご馳走になった。

前かがみになれず2人ともヘンな格好で、心からお礼を言って外に出たらご主人が
「あ、忘れてた!」と店に駆け込んだので何だろうと思ったら
「サラダを召し上がらなかったのでその分お返ししないと!」と1,200円渡そうとするので慌てて
「とんでもない!あんなおいしくて手が込んだものをいただいているんですから」とお礼を言いながら逃げだしたらまちこが捕まってしまった。

5,000円のおまかせコースから600円引いたら、利益がなくなっちゃいます~
ありがとうございました~



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歩きながらまちこがモゾモゾおなかのあたりを触っているので
「なにしてるの?」と聞いたら
「いま…… ズボンのボタンはずしたんだよ。
あー 少しラクになった。だけど、下にズリ落ちそう!」

ここでズボン下に落としてお尻丸見えになったら、
私はこの人は知らない人ですよ~という素振りで1人でトットとタクシーに乗っちゃおうっと!









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<スナッフルスのケーキ>

あー  昨日はおいしかった、そして大変だった。

朝食は駅前で買っておいたスナッフルスのケーキ。


たとえば東京だと、駅前の不二家、あるいはコージーコーナーみたいな感じかな、
スナッフルス。
ケーキもポピュラー、大ぶりで万人向き、の感あり。
気取ってなくてお手軽。
けれど東京のケーキとは格段に違うその素材のフレッシュさ。

まちこも朝からぺロリ!










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また歩いて市電乗り場まで。
とにかく歩かなくっちゃ、おなかすかない。
おなかすかないと、おいしいものが食べられない。


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日差しがなくちょっとうすら寒い市電。

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市電に乗って駅前まで。

さーて、これからが、また勝負ですよ~
海のそばで一服。

いや~ 晴れてきたね~








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<エバーグリーンのイカの塩辛入りコロッケ>

以前駅のそばで時間つぶしに入った喫茶店に「イカの塩辛入りコロッケ」というのがあって、
コーヒー飲みながらそれも食べたら、なんかおいしかったの。

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でね、今回コロッケだけ食べられるか聞いてみたら
「いいですよ」ってことで、130円。

あ、キャベツも付けてくれた。

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まちこに「どお?」って聞いたら

「うん、おいしい! 小さいからこの後のラーメン入るね」

(そうだろうか。私はもはや無理かもしれぬ)

食べ終わったまちこ、
「あら、なんだかおなかいっぱいになってきた」
(ほらね~)

私は言った。
「ラーメンは止めよう。無理」

まちこは唸った。
「えー…… 知らなきゃよかった。塩ラーメンって言われたからその気になってたのに」
確かに。塩ラーメンもある、なんぞと言った私が悪い。









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コロッケ食べたのち、水を飲んでタバコすってしばらくしたら、私はちょっと落ち着いてきた。
うーん、もしかしたら、半分残せば入るかなぁ。

まちこに
「店の前まで見に行ってみようよ、時間があるからさ」
まちこは
「入らないって分かってるのに前に行くなんてぇ」と嘆いたが。






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<ラーメン 汪>

地元では<汪さん>といわれているようだ。
塩ラーメンなら、なんか入るかも~

店の前でまちこに
「入ろう、おなかいっぱいになったら残せばいいんだから」
まちこは
えーっとかあーっとか言いながら、中に。
奥のくぼんだ所の席がちょうどあいていて、すぐに座れた。




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塩ラーメン。

モタモタしないでササッとテーブルに置いてくれる。
ズズ~ッとすすってサッと立ち去る。

いかにも昭和の昔ながらのラーメン屋さん、今も変わらぬ味の店。
好きだわ。

ラーメンなんとかとかいう御仁がテレビで4種類の鰹節と3種類の煮干しと5種類の塩を使って何とか鳥の鳥ガラのスープが麺に練り込んであるなんだらとどーにかなって自家製のラー油がピリッとどーのこーのとかいわない店よ。

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メンマはあんまりおいしくないが、そしてチャーシューはしょっぱいが、
おそらくは40年来使い続け特別配慮していないそれらのものが、大変あっさりとした麺とスープを活かしているのだった。

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だからまちこは完食し、私も半分以上おいしく食べられたのだった。





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席からも見える厨房は大忙しで鍋の音は活況を呈し、
店員さんも4~5人、見るからに忙しく動き回っていた。




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労働者の、普通のお昼。

今日はうまい焼き飯食べて午後も元気にやろうぜ、
普通の値段で、そしてうまかったな~
明日も来ちゃおうかな、という店が、




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最近減ったような気がする。


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<汪さん> 私、ちょっと幸せな気分を貰いましたよ。









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本日の宿の送迎バスが函館駅を出る前にゲット。

<函館駅 駅弁 ひらめの一押鮨>

宿に着いてからまちこと半分ずつ食べた。

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貧弱な卵焼きの細切りとか貝割れ大根3本とか、ニンジンとか要らないと思うけど。

なんでこんなもの載せようとするのかなぁ。



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ひらめを軽くスモークしてあるらしい。
スモーク感は感じられないが、感じてしまったらひらめの味を損なうことだろう。
よくこの魚を識って、かつ駅弁に適した状態となっている。

押し鮨というより、ご飯粒の形が崩れていない、握りに近い食感が心地よく、ご飯に昆布のようなものが少々入っているが前に出てくる味ではなくて、たいへんおいしいお鮨であった。

満足~ もう寿司はいいや、私は。

顔を見合わせて2人で
「おいしかったね~」
「おいしかったね~」 あとは言葉がない。

それにつけても、こんなにおいしい鮨なのに、それを損ねるように、なんであんなもの載せるのかな~
鮨だけ!という潔さと自信が欲しいですね。

食べ終わって、しばらくしてからまちこがきっぱりと言った。

「帰りの函館で、鮨はもう食べなくていい!」











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ここからは、帰りの部です。

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<ルサマーヤスイーツ チッチョパスチッチョのケーキ>

赤レンガ倉庫群にある、土産物・スイーツショップです。



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母を函館に連れてきたときにタクシーで郊外にあるチッチョパスチッチョに行って焼き菓子をたくさん買って帰った。
実はケーキも買って帰り食べてみたかったのだが、母を連れて片手にケーキ、という状態は避けたかったので買わなかった。
それがとても心残りだった。

買ってきた焼き菓子はいずれもたいへんおいしかった。
中には硬すぎて歯で割れずハンマーで割って食べたヘンな菓子もあったが。


ここには函館のかなりの数のケーキ屋さんのケーキが並べられ、ケーキ2個と飲み物で1,000円というお値段。

まちこ、
「え? これお昼?」というので、そうね、お昼ね。



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こちら、まちこの選んだケーキ2種。



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これ、私が選んだチッチョパスチッチョのイチゴのタルトと、名前をよく聞くシュウェット・カカオのチョコレートケーキ。

お値段安い~  かなり凝った感じのものが300円くらい~  東京の3分の2くらいのお値段~



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しかし2個いけるかな、やや不安。
実はチョコレート&生クリームは私にとってかなりの冒険。

こちらは残すかも。




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チッチョパスチッチョのイチゴのタルトは、予想通り秀逸だった。
イチゴはまだ本格的な味になっておらず、やや酸味の強い、甘さを感じないものだったが、
ゆるくホイップした生クリーム、恐らくこれ以上ゆるいと押し出した形を維持するのが難しくなるであろうギリギリのゆるさが、とても上品な軽快感を生み、下の生クリームはそれよりやや硬めにホイップ、その使いわけにパティシエの技量が現れていた。
タルトの生地のバターの香りも高く、充実感がありながら軽やかなタルトであった。

チョコレートケーキはこれを食べた後には付け足しとなってしまった。

しかしこの手のケーキ好きには喜ばれる、しっかりと濃厚でチョコレートを活かしたケーキであると思う。
紅茶を飲みながら、このケーキも全部食べたことは、私にとっては驚異である。
さすが函館のケーキ! 紅茶はポットで欲しかったが。

2人とも、2個食べたわ。
食べ終わってまちこは
「口の中、あま~~~   そういえば私、スープカレーって食べたことないんだよね」
















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<グラン・ポルト>

まだ飛行機までの時間があるので、どこかでゆっくりしよう、と歩き出す。

(スープカレーか… しかしあそこならゆっくりできるかもね)

曇ってきてちょっとうすら寒くなってきたし、ほっこりするのもいいかも。




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ゆっくり歩いて駅まで行き、その後もう少し歩き、なにせ1階はパチンコ屋、というヘンなビルの上のほう。
ビルの外観とは裏腹になんだか場違いな感じ、ちょっとお上品にピアノとか置いてある。
眺め良し。そしてかなり静か。上から音楽が降ってくるが。

函館、飲食店で音楽なしの所ってないのね、ホント、皆無だった。
なかにはループにしてある所もあって、そういうのってつらいのよ。私には。
あ、またこの曲かい?みたいな。

なんでなんだろな~ 店の味はいいのにさ。
目は逸らしたりつぶったりして見ないことができるけど、耳はね~
食べながら聞きたくもない軽音楽なんざ聞かされるってのは、如何なものか。




ウエイターのおにいさんもシティホテルのレストランの方のような感じである。

まちこ
「あっ! スープカレーあるよ!すーぷかれー!」
(そりゃあるだろう。あることろを目指して来たんだから)




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スープとサラダ。



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渡島(おしま)野菜のカレー。
まちこはスープカレー。
いろいろな野菜を素揚げにしてのせてある。



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カレーは取り立てていうほどの味ではないのだが、たくさんの野菜の食感の違いや味が楽しめた。
しかし、ご飯とカレーは半分残してしまった。




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まちこのスープカレーには鳥のドラムが入っていて、渡島野菜もたくさん、それはそれでおいしかったという。

「あー 完璧!すごい! もうこんなにおいしいもの全部食べられて幸せ。帰れば六花亭のおこわが来るし」




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そしてまちこはこっちを見て言った。

「ねえ、無理してくれてる?」
(まあ、無理といえば無理を承知の旅であるからさ)
「多少の無理はしてるけど、そんなこと初めから分かっているから」

ちょっと安心したようであった。












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その後私は、より完璧を期すべく、
函館駅駅弁コーナーに電話してひらめの一押鮨を予約し、
函館空港の土産物売り場に電話して阿佐利のコロッケ6個入りを予約したのである。

まちこは空港でも
「完璧!完璧!ありがとう!」を連呼した。





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まちこはいいのだ。
彼女は普段よりやや多いくらいの、そしてとってもおいしいものを、頑張って食べちゃおう!
ということであったのだから。
「完璧!しあわせ!」と言いながら。
そしてよく考えてみれば、私たちの食べた量はそんなに並はずれて多いわけではないのである。



しかし私は……

<おいしいもの>に振り回され、

挙句、自身のちょうどいい分量をはるかに超えた、
この過食と飽食の状態に


かすかに嫌悪感を感じたのも、事実である。
















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