(2012年5月19・20・21日 ガーデンズホテル@3,500円 東大雪荘・特別室連泊プラン@7,500円)
幌加温泉の<鹿の谷>に行こうと思って予約の手紙を出したら、
お手伝いのお兄さんらしき男の人から電話があり
「<鹿の谷>ですが、女将さんが電話に出たいと」
女将さんは耳がご不自由なのはわかっているから
「用件は伝えてくださればいいですよ」と言ったら
「本人がどうしても出たいと言ってます」
? 何かな?
「いつもありがとうございます。
じつはよんどころ無い事情で、5月いっぱい休むことにしまして。
もうご予定もお決まりでしょうし飛行機などの手配も済ませてしまわれたなら、大変申し訳なく……」
「いえいえ、十勝、行くところたくさんあるので大丈夫ですよ~」
こちらの声はほとんど聞き取れなくとも、女将さんはご自分で伝えたかったらしい。
それでは。
おつまちゃんと行った、東大雪荘の特別室にするか。
帯広からどこに行くにしても列車もバスも少ないので、市内で1泊せにゃならぬ。
こんにちは、帯広。
まずは恒例のソフトクリームよっ。
今回は藤丸デパ地下、池田牧場の<パパラギ>。
あっ アイスクリームもうまそ~
目移り…… が、初志貫徹でソフトクリームにします。
300円とやや高め。
いや~ しかしすごい量で。
手渡されておののく。怖いよーーー!
全部食べられるかしら~
ずっしりと重い!!!
でもうまい~
スッキリ、あっさりでかつとっても濃厚。
ちと多すぎるが、2人とも食べちゃいましたっ。
体が冷えてブルブルッです。
今回も駅前のお安いガーデンズホテルでモール泉でひとっ風呂浴びてから
夜の街に繰り出し……
夜の街ったって、そんなにすごい繁華街ではないんですけどね、
一応メインストリート界隈の、
<串バー OHANA>を予約しておきました。
いや~ はやってましたね~
20代、30代で店内は大盛況。
カウンターに座って若い店主の串焼きの塩梅なんぞ見ながら
まず順当に鳥の正肉から入り、焼きの腕は確かと分かったから
その後ツクネ、そしてホワイトアスパラ、野菜の温サラダ、
舞茸とモッツァレラの豚肉巻き、穴子などなど焼いてもらい、
長芋とキュウリのサラダなど頼み、
お値段は特に安くはないがどれもおっきいのね~
まちこと半分ずつ食べたけど、とってもボリュームがあっておなかいっぱいとなる。
まちこビール2杯、私1杯。締めて2人で5,000円だった。
結果として、安い!
若い人好みだけあって、塩味やや強め。
油分かなり多し。だけど。
おばさんたちにはパクパク食べられないが、タマにはこういうのもいいわね~
まちこ、ビールもおいしく飲んでご満悦であった。
翌日は事前に調べておいた、今年の春オープンした<十勝農場>というレストランのバイキングに行くことにした。
お昼は時間制限1時間で980円、野菜料理のバイキングを謳っていてまちこは喜んだが、
私はちょっと疑問符付きで
「もしかするとはずれかもよ、期待しないようにね」
と言っておいた。
ここは<十勝ビール>というビヤホールが趣向を変えてオープンさせたらしい。
11時半開店なので散歩しながらブラブラと11時20分頃に行くと、すでに4~5人並んでいた。
まちこは「もう並んでいるよ、人気があるんじゃない?」と言ったが……
私は大食いが一番乗りして自分の皿にテンコ盛りしている姿を想像したのであった。
案の定、並んでいた客が10人ほど入ると、店員にしずしず案内された後は、
みな狭いスペースに並んだ皿にドドッと向かって、お盆みたいなプレートに各自盛り付けるのでけっこうなラッシュぶりとなり、
まちこはご飯をよそったあとに温かい汁物はないかきょろきょろしても見当たらず、
私は小さなパンを取ったがゴボウの煮付けや煮びたしのような和食の惣菜、天ぷらの山を見て戸惑い、
挙句2人ともちょこちょことプレートに盛って冷たいビシソワーズみたいなスープをカップに入れて席に着いた。
このジャガイモの香りのないスープに入れる乾燥パセリがそばにあったが、
青ノリみたいな代物であった。
「野菜、おいしいよ」とまちこは言ったが
それは多分東京で食べてもその程度の味の野菜はある、というくらいのおいしさで、
そもそもここで出されている野菜がすべて十勝産であるとはどこにも書いていないのであるから、
長芋とジャガイモ以外、千葉産のキュウリや宮崎産のピーマンや群馬産キャベツである可能性はこの時季たいへん高い。
「ごはん、どう?」と聞いたら
「パッサパサですごくまずい」とのことである。
デザートのプリンを口に入れたまちこ
「ぜんぜん卵の味がしなくて、やたら甘い」だったので、私は<生姜のゼリー>というオレンジ色のヘンなしろものをひと匙すくってきたのだけれど、
一口食べて即却下。
(<十勝農場>と看板出してこんなもの食べさせていたら、十勝の、農場主が、泣くよ!)
来年あたり、また違う店になっているかもしれない。
至近距離にある六花亭に飛び込んで口直し。
140円のクリーム入りサクサクパイと無料のコーヒーをいただき、安堵した。
本店のみ「3時間以内にお召し上がりください」の限定パイ。
3時間以内のところに住んでいたら、
10本くらいまとめ買いしたいの~!
前回新得駅から宿の送迎車で行ったので、今回も電話でお願いした。
夏は路線バスがあるので送迎がなくなるらしい。
来る前日に何となく東大雪荘のHPを見てみたら、
「5~7月は十勝帯広からの送迎があります」みたいなことが書かれていて、
えっ 予約の時そんなことひと言も言わなかったじゃーん! 電話電話!
送迎をできるだけ隠しておきたいの? そんなこともないだろうが。
午後1時に十勝駅近くの十勝プラザという公共施設の前に送迎車が来るんだそうな。
十勝プラザの芝生の向こうに噴水があって、子供たちの歓声が聞こえる。
ずぶ濡れになった女の子が笑いながらこちらに駆けてくる。
あ~ ここに干してあるシャツや靴や帽子は…… なるほど。
今日は十勝晴れ。気温も25℃。
子供たちは、一足お先に北海道の初夏を満喫しているらしいのだ。
十勝プラザから乗り込んだのは私たち2人だけだった。
新得駅からはおばさんの2人連れ、1人のおばさん、計3人が乗り込んできた。
いずれも地元の人である。
異常に大きなダム湖。
ここを通るたびに、このダムが決壊したらどうなるんだろう…… と不安にかられる。
かなり老朽化していて、あちこち補強したほうがいいんじゃないかと思える箇所が、しろうと目にも分かる。
帰りの車の中で運転していた宿のスタッフにそう言ったら、
やっぱり決壊した時の水量の試算が出ていて
「ここが決壊すると新得を越えてはるか帯広市内まで水が及んで、市内中浸水するそうです」とのことである。
「なんでこんな大きなダムなんか造ったんでしょうねぇ」と言ったら
「このあいだ建築関係の人の送迎をしたんですが、ここを通った時に、みんなそう言ってましたよ。
この大きさにする意味が全然理解できないって。
昔はここに観光バスが来て、みんなゾロゾロ降りて見てましたけどね」
そのために造ったんじゃあるまいに……
連泊プラン、通常の部屋に2,000円増しで玄関上の広々した特別室に泊まれる。
おつまちゃんがテンを見ていて仲良くなった夫婦がここに泊まっていて、
彼女は入りこんで写真なんか撮っちゃったのであった。
部屋に入ったら西日がサンサンと差して真夏のような暑さだった。
ガラス戸を開けて風を通す。
冷たい爽やかな山の風が吹き抜ける。
使う人もいなさそうなビューロー、大きなテレビ。
ドーン、広々~ の向こうにベッド。
ベッドの状態も良く、ちゃんとベッドパッドが敷かれていて、
掛け布団も羽毛。
私たちは使わない和室もある。
6人くらいの家族連れが、上の階のこのタイプの部屋に入っていった。
ソファに座っていて……
あー なーんかヘンよね。私、壁見てるわ。
まちこに
「ソファ、動かす。景色が見えるように向きを反対にする!」
「そうだね」
夕方でも、日はまだ高い。
散歩。
花とおばさん。
長い長い冬を耐えて、やっと訪れた春を謳歌するように、目立たないけれど、可愛い小さな白い花が陽だまり一面に咲いている。
夕食はあのおいしい牛肉を思い出し、私には珍しく<ステーキ膳>にするつもりでちょっと楽しみだったんだけどさっ
「あれはいまやってないんですよ」
って、がっかり。
ふつーの和食膳であった。
でも<温泉蒸し>ってメニューだそうで、それなりに工夫はされてましたが。
新得の共働学舎のモッツアレラチーズは別注。
ひんやりと、そしてチーズなのに軽やか。
この辺は前と同じメニューですね。
ピンク色で缶詰のピーチ入りクリームチーズのデザートも付いてました。
まあ文句ありません。
夜、1人で星を見に行った。
雲に隠れて、半分くらいしか見られなかったが。
星を見上げてかなり見られると、ああ…… 北海道にいる…… と思う。
朝食バイキング、これは変わりなしですね。
ご飯がほとんど残っていなくってびっくりした。
先に食べたまちこによると、彼女が食べた時点で、家族連れ6人が何往復もしてご飯のジャーをカラにしつつあったらしい。
散歩。
木々はまだ芽がでていないものもあるのに、痛いほどの日差し。
隣を歩いていたまちこが突然 わわわわー わーっ
と、抱きついてきたので何事かと思ったら「蛇! 蛇だよ!」
え? 振り返ってみたら
なーがーいー 日向ぼっこ? 良く伸びて、たいへん気持ちよさそうに見えた。
雪どけで水量の増した川は、激しいくらいの水音をたてて下っている。
雪の降っている時季にはほとんど感じられなかった川の存在だったが。
大雪山系の恵み。ゴウゴウと大地を潤す。
この水が、人を、動物を、植物を育て、生かす。
激しい水しぶきとともに豪快に清冽に流れていく水は、
いつまでもいつまでも見ていられる。
いく川の流れは絶えずして、しかももとの水には……
私たちはなんと恵まれた国に生きていることか、と思う。
1人で散歩。
宿から上った一本道は途中で林道へと分かれてキャンプ場に至り、それは昨日まちこと歩いたので
本来の一本道、ずーっと歩いていけば新得駅へと向かう道を上る。
ゆるい傾斜の方側は谷になり、川が見え、はるか下に宿が見える。
もう片方の斜面からは湧水が落ち、細い流れになって春の道の端を潤す。
遠くでキツツキのドラミングが聞こえ、近くで鳥の鳴き声がする。
遥かな山肌には雪が残る。
いつ舗装されるか分からない、という砂利道を、トラックがたまに通る。
一瞬、砂埃が舞い上がる。
去年の台風でキャンプ場近くの橋が流され、新得町は新たに橋を作っているのだ。
トラックが通り過ぎた後は、静けさが帰ってくる。
しばらくすると鳥の声が聞こえる。
薄日の中で、芽吹いたばかりの柔らかな緑が頼りなくも、美しい。
これがやがてうっそうとした茂りとなっていくのだろう。
細い流れはやがて止まり、そして水たまりとなり、
そこにはカエルの卵がたくさんあった。
すでに黒い点がはっきり見えてきていて、この小さな水たまり一面をやがてオタマジャクシがうめつくすのだろう。
と、その向こうに見えるもの、あれはなんでしょうか?
ビニールのホース? ん? 人工物のマテリアルじゃないような…… 半透明だし。
えーーーっ? 初めて見るもの!
コイル状の軟体生物?
えーーーっ? 卵?
うわあぁ なんか気持ち悪~い なんかの卵らしいが。
なぜにブニブニのコイル状に?
いや~ なんなのでしょうか…… カエルじゃないな、管の直径はカエルの卵の数倍はあるから、
もっと大きい生物だろうけど。
帰ってまちこにこの写真を見せたら
「うわ!気持ち悪い! 夢に出てきそう。カエルの卵?」
「いや、カエルより大きな生き物だと思うよ」
携帯片手にネットで調べて
「蛇? 違う。 トカゲ? 牛ガエル? 違うわ。トノサマガエル? 違うわ」
(だから~ カエルじゃないつーの!!!)
帰ってから、これはなんだろう、と気になって、なんだかフン詰まり状態。
じつはしばらく前から出てこない人の名前もあって、これまた便秘みたいで気分悪し。
いやあね。
腰据えて解消するか。
ということでまず卵から。
じっくり見て、これは、まず爬虫類ではない。
水の中だから両生類。そしてカエルより大きい生物……
あ!サンショウウオかな? しかし北海道にいるのかな。
調べてみたら、エゾサンショウウオ、がいるらしい。卵の写真を調べたら……
コイル状。半透明。 あ~ バッチリこれだった。
生まれたばかりのエゾサンショウウオは共食いもするらしい。
あの水たまりには、もうじきオタマジャクシにならんとする卵がたくさんあった。
あそこがオタマジャクシでいっぱいになった頃、エゾサンショウウオの赤ちゃんがたくさん孵化する。
水たまりは逃げ場がなく、まだ手足が出ていないオタマジャクシはエゾサンショウウオの赤ちゃんのでかい口にガバガバ入ることだろう、きっと。共食いも防げる。
エゾサンショウウオのお母さんはそこまで考えていないだろうが、カエルの卵のそばに産むのは、彼女の本能なのだろうか。
2日目の夕食は、イモ餅と小さな鹿肉のソーセージ。
煮物、焼き物、これ以外の天ぷらと刺身は昨日と種類が違っている。
それなりにそれなり。
関谷ファームのジャージー牛肉ステーキ別注1,200円、というのを写真で見たら、
(あのステーキご膳のお肉よ!)大きなステーキ2枚で、これ頼んで半分ずつ食べればよかったんだけど。
まあ、こんなもんで。
私たち、おいしいもの食べすぎだし。
デザートもちょっと変えてくれてるしね。
ごちそうさま。
帰りは私たち2人と、新得に土地を買ったという難聴のおじいさんと3人。
運転してくれる宿のおにーさんは、こちらが質問すると答えてくれるが、自分から質問してくることはない。
こちらに気を遣ってのことだろうか。
帯広までの2時間半、あれこれ話しているうちに(おもに聞きだしているうちに)、東大雪荘が土地は国のものだけど建物と運営・スタッフは新得町の税金で賄っていることが分かった。
そして夏は登山客でいっぱいになるが、冬は人が来ないこと、あの一本道の除雪は多い時には1日2回、宿のスタッフがやっていること、今回売り上げアップのため帯広までの送迎を試しにやっていること、数年前までは宿はかなり評判が悪かったのだが、今は若いスタッフが努力していること、などを聞きだした。
「国民宿舎ですって書いても、お茶淹れに来ないのか? 布団敷きに来ないのか?って言う人もいて。金払ってまで、そんな寒いところに行きたくない、って言われたりするんです」と寂しげなおにーさん。
まず、この宿は真冬でも寒くない。
廊下なんか暖かすぎるくらいである。床暖房で。
前回おつまちゃんと来た時、暖房はつけずに時々窓を開けていたような気がする。
北海道、飛行機から降りて外は-20℃でも、バスや電車の暖房は効きすぎるくらいで、ドア ツー ドア で宿に入ってしまったら、東京のうすら寒い部屋よりよっぽど暖かな環境である。
私なんか-20℃を感じたいがために、しばらく外を歩き回るのである。そうでもしないとわからないから。
(知らせなさい!知らない人に。 わかってもらいなさい! 教えなさい! 積極的に。
スタッフ1人1人が自主性を持って、話しかけ、聞きだし、そして宿の魅力を知らせなさい!
ほら、今夜のミーティングで話すべきことがたくさんあるでしょ?
「送迎が帯広からあるって知らない人がいました、周知させましょう」
「ソファは窓が見えるように置きましょう」
「お食事、ステーキ膳がなくなったって、知らない人がいました。周知させましょう」
「お茶淹れや布団敷きがない分、安くしていることを、スタッフそれぞれがもっとネットでも電話でも積極的に周知させましょう」
だいたい、送迎車、車に乗って2時間半も一緒にいるんだから、その間客が宿に対して何を感じ、何が良くて、何に不満を持ったか、十分に聞きだせるでないの~!)
私は叫びたくなっちゃったのである。
その各自の自主性がなければ、宿の経営なんて成り立たないよ~
8,000人に満たない住民が払ってる新得町の税金を無駄に使うよ~
帯広 クランベリー本店。
帯広にある、昔ながらのケーキ屋さん。
スイートポテトが有名。
サツマイモが北海道で貴重だった頃、スイートポテトを使ったお菓子を作りたかったんだろう。
作った当時のままの味。
変わらぬこともまた、こうなると意味が出てくる。
スイートポテトパイ。140円。
ちょっとゴワッとしたパイ皮、甘めのクランベリーソース、クリームとスイートポテト。
好きな人は好きかも。
読谷ポテトとバニラの子供ソフト、105円!!!
おいしい。そしてケーキのあとにちょうどいい量。
パン屋さんのますやが、市内からちょっと離れたところにお店を出した。
<麦音>
焼き立てパンをテラスで食べられる。
まだあったかいコロッケパン110円、コーヒー50円。
私は1.5斤315円の食パンを買い込み、これを家で冷凍してしばらく楽しめると思うと、嬉しかった。
そしてもうひとつの便秘状態も、やっと解消したわ。
「岩田……
いや違う、石田でもない。
井上でもない。
うーん……」
しばらくうーん、うーん言ってたの。
気持ち悪~い!
年のせいか。
悔しい!
「大作! そうよ、そうそう。
岩田? 違うな。
岸田? あれ?
岸上?
岸上大作 あ、出てきた。
あ~すっきりした!」
便秘っぽく詰まってるのって、
健康に悪い。
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