(2008年10月18・19日 1人泊 @10,650円)
早朝の新宿駅。
まだ月が出ている。
羽田行きリムジンバスに乗り、羽田空港、そして新千歳空港に。
札幌から小樽までは電車で。
6月に湧駒荘の露天風呂でお知り合いになった Cご夫妻と小樽で待ち合わせ。
そうなんで~す!
ここから車でご一緒させていただいて
ニセコ周辺の
温泉めぐりの旅なんで~す!!
いいでしょ~!!!
まずニセコ駅へ。
駅舎内のレストランでおいしいカレーライスを食べました~!
カレーの上にのっている山芋のソテーとベーコンが美味。
鯉川旅館、前景。
広い敷地の奥にあり、宿の前まで車道が通っている。
2階建、木造、玄関。
こういう木造で、冬はどうなるのかな~と、このとき思ったが、
その後冬の北海道にたびたび行って、木造でも本州とは造りがまったく違うことを実感した。
一見頼りなく見えるが、夜は暖房を切って寝ないと汗まみれになる。
厳しい寒さを乗り切るための家の断熱、その規模が違うのだろう。
東北、群馬あたりの宿でうすら寒くて震えた思い出があるけれど、こと暖房に関しては北海道は心配ない。
1階 Cご夫妻の隣の6畳のお部屋。洗面・トイレなし。
ときどき、前の池の鯉がボッチャンと跳ねる音がする。
夜はもっと頻繁にジャボッとかボチャッとか聞こえた。
浴衣は鯉の柄、そして床の間に鯉の絵がかけてある。
廊下は、木の色が褪せているけれど、
お掃除は行き届き、そして飾り気なし。
玄関。ここもなんというか… 北海道でよくある宿の感じ。
なくてもいいようなものがチラホラあるが、多すぎて目ざわりというほどではなく、
しかしすっきりシンプル、というわけでもなく。
昔からあるからそのまま置いておくか、みたいな。
これはこれで、別にいいんですけどね。
Mrs.C と湯気モウモウの内湯の奥のドアを開けて、いそいそと露天へ。
うわ~ いいわね~~
昔は1つだった露天を塀で半分に仕切って、男女別にした感じである。
半分といっても、女湯のほうが断然景色がいいのだ~!
ちょっと水量が少ないが、目の前に滝が見えるのだ~!
もう紅葉は終わって、木々は葉が落ちていたけれど、
お湯は贅沢にたっぷりかけ流されて溢れていくし、自然の空気の中でホントに気持ちよ~い。
Mrs. C とおしゃべりしながら、
ちょっとほてってきたら縁に腰かけて冷まして、
この時季は延々と入っていられるの。
お湯の成分はすごく濃いのに、飲むこともできて、
ほんのり塩分を感じるおいしいお湯の味だった。
長い年月に、コンクリートは様々な色に染まっていた。
窓辺に座って景色を眺めながら、Mr. C は思索にふけっていらっしゃった
(ように見えた。ホントは「そろそろおなかがすいてきたな~」と思っていたのかも)。
お食事!
Mrs.C から事前に「豪華じゃないけどお食事はとてもいいのよ」と聞かされていたので楽しみ!
3段階の宿泊料金の差で、お料理の品数に違いがあるそう。
これは真ん中の料金のお食事。
ボリュームもあり、味付けもほどよく、
何よりも、丁寧にお料理してくれているのが感じられて嬉しくなってしまった。
お魚類がとてもおいしいのだ。
スキーで有名な山の中だけど、車で1時間走れば海だから。
もちろん蟹もおいしく…
お刺身も…
あ~ ヒラメの縁側も!
イクラも!
もう鍋なんか入らないくらいおなかいっぱい!
申し訳ないけど残ってしまいました。 品数が少ない、一番安い料金でいいみたいです。私には。
夜の露天。
風もなく、涼やか。そして静か。
もうほかの人も入ってこないし、Mrs.C と延々とおしゃべりしながら入ってました。
C ご夫婦はとっても素敵な方たちで、
Mrs.C は好奇心旺盛に、そして私と違う世界のお仕事を生き生きとしていらっしゃって
そんなお話や人生観、そして北海道の温泉のお話をお聞きしていると、時間が経つのも忘れてしまう。
ああ、人生の中で、こんなにのんびりと温かなお湯に浸かって、楽しくおしゃべりできるなんてしあわせ~。
ちょっと寂しくてシクシク… だった、下田「ホテル南楽」の思い出も、湯気のかなたに…
夜明けに、半分眠りの中にある体を窓辺に持っていくと、静謐な、美しい日の出であった。
露天から内湯のほうを振り返ると……
朝もやの中、湯気抜きから出てくる湯気が輝く。
生きていることは素晴らしい。 そしてありがたい。
澄みきった朝の空気の中で入れるお風呂には、独特の、かけがえのない喜びがある。
昨日より葉が落ちて、風景が変わっているのだった。
朝ご飯。
じつに気持ちよいお膳であった。
2日目の朝ご飯。
献立を変えてくれた。
雑なところがまったくない。旅人達の心を温かく満たし、笑顔にしてくれる。
いただきます。
秋の気配。
C ご夫妻に、道の駅に連れて行ってもらった。
日曜ということもあり、大勢の人が車で来てたいへん賑わっている。
その収穫のあまりの豊かさに、私は目を瞠った。
東京のスーパーでは見かけないものがたくさんあって、
こんなとき、1人暮らしはちょっとシュン…となる。
買いたいものはたくさんあるのに、買って帰ってもとうてい食べきれないから
初めからあきらめるしかないの…
一抱えもあろうかと思われる白菜、ゴロンと大きなキャベツ、見るからに安くておいしそう!
大きいから味は大味かと思いきや、とんでもない!どれも充実した旨みに満ちているのだ。
こんなに豊穣な大地なのだ、北海道は……
「大地」といえば……
春先、旭川空港で見かけたポスターに
「試される大地 北海道」と書いてあって、大地の何を試すの??
洞爺湖サミットの前だったので
「あ、サミット成功祈願みたいなこと?」と思ったのである。北海道は警備ちゃんとできる土地か試される?って?
私の住んでいる池袋でさえも異常な数の警官が巡回していて、石を投げれば警官に当たる。
日本人の男の子が持っている東急ハンズの包装紙の長い棒状の包装紙を破いて中身を点検したり、
大きな荷物を持った中国人の男の子たちのバッグを開けさせたり、えっらい状態であったのだ。
しかし!そうではなかったのだ。
C 夫妻と共に車で通った道の端に、「試される大地 北海道」と書いてある看板を2カ所ほど見かけた。
聞けば昔からあるんだそうな…… この標語……
なんじゃそりゃ~~~!である!
北海道の大地は、豊かで美しい。試す必要なんてどこにある?!
試さなきゃならんのはねーー!
大地に責任転嫁して、
こんなヘタレた標語!やポスター!や看板!作って
税金の無駄使いしてる人たちでしょーー!!
道民は怒らないの?!
まったく!あんな看板やポスター、即刻撤去撤去!!! プンプ~ン!!!
昨日より、水量が増している。
日々がこんなふうに様々に変化しながら、時が流れていくのね……
それを感じられるのは、私がいまここに居るから。
そんなことを実感したのだ。
内湯は湯気モウモウ。
お湯はたっぷり。
2日目の晩ご飯は……
献立をすべて変えてくれた。
きめこまやかな心遣いが感じられて嬉しい。
みぞれ仕立ての熱いお椀の、青海苔の、記憶に残る香り。
チェックアウトのとき「男湯の内湯を見てきていいですか?」と聞いたみた。
「どうぞ、いま掃除に入ってます。だけど古くてきたない風呂場ですよ~」
いや~! いいね~~~!! いいんですよ、いい風呂場です。ほんとに。
宿を建てるとき、まっさきにこの風呂場ができるわけで、
そういった風呂場は職人さんたちが思い入れと力量込めて造るから、
どこでも初めに造られた内湯がすごくいいのである。
うわ~! 入りたい!!
チャチャッと5分ほど入っちゃおうかな…… ってわけにはいかないわね……
入りたい……
北海道は、車でないと大変不便。
こんないい旅をさせていただいて、ほんとうにC ご夫妻に感謝感謝であった。
そしてこんないいご縁があったのも、温泉のおかげ。
温泉、ばんざ~い!!
帰りの飛行機の中で
鯉川温泉旅館の男湯の内湯に入る方法について……
あれやこれや、しきりに考えている自分に気がついた。
やっぱり、2泊して、2日目の朝、お掃除前に、お願いして、
でもってね、
絶対入るわよ、あの風呂、何が何でも!!!
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